エジプト・アラブ共和国・ルクソールに行ったら何をする?おすすめ観光名所・グルメ

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エジプト観光といえばギザのピラミッドやスフィンクスが有名ですが、南部に位置する都市ルクソールも見逃せません。
日本人にとってはあまり聞きなれない都市ですが、その歴史は深く、興味深いもの。
古代エジプト王朝ファラオ・ツタンカーメンが支配した1000年の都、”テーベ”があったことでも知られています。
そのため、ナイル川の東岸と西岸には多くの遺跡が点在。1922年には、ツタンカーメンの墓も発掘されました。
なんとその全てが世界遺産。エジプトの深い歴史を辿るにはまさにうってつけのルクソールのみどころをご紹介します。

目次

古代エジプトのファラオが眠る岩の谷 王家の谷

ナイル川の西岸に、新王国時代の歴代の王が眠る岩窟墓群、王家の谷があります。
ここでは現在までに東の谷に60、西の谷に4の墓が発見され、かの有名なツタンカーメンやラムセス4世、トトメス3世など、24の王が収められていたことが明らかになっています。
なかでもツタンカーメンの墓は1922年の発掘まで謎に包まれており、発見当時は奇跡の大発見ともいわれたほど。
ほとんどの王墓が盗掘されてしまう中、奇跡的にほぼ完全な状態で残されていました。
墓から発見された黄金のマスクなど数々の副葬品は、カイロのエジプト考古学博物館に展示されています。
王家の谷ではその他、唯一無二の貴重な壁画もみどころ。今日まではっきりと見事に残された彩色は必見です。
また、王家の墓で見られる壁画には、”ヒエログリフ”という古代文字が書かれており、古代エジプト時代の風習などが伝えられています。
現在見学できるのは数多くある墓の一部ですが、その一つ一つにエジプトの深い歴史を肌で感じられることでしょう。

男装して政権を握ったエジプト唯一の女王 ハトシェプスト女王葬祭殿

王家の谷の東側、断崖のふもとに建てられたハトシェプスト女王葬祭殿。
当時のエジプトでは女性は王になれませんでしたが、王の嫡出子には王位継承権があり、その夫は王になれるという制度がありました。そこで、トトメス1世の長女であったハトシェプストは夫のトトメス2世の死後、息子であるトトメス3世が王になるところ、幼少であることを理由に摂政となり、更には自らが男装して王となりました。
設計は、彼女の側近であった建築家、センムト。岩山を借景とした3層の葬祭殿は各階にテラスもあり、モダンな美しさを放っています。
建物の3階にはハトシェプストの墓とされる至聖所があり、2階にはアヌビス神とその妻ハトホル女神の礼拝所。ハトシェプスト誕生のレリーフや南方にあったとされるプントとの交易図、ハトホル女神をかたどった柱などが残されています。
女王の治世により、エジプトで初めて貿易が行われ、シナイ半島で金の採掘を行うなど、平和で盛んな時代を生き抜いたとか。
この神殿の美しさとスケールの大きさには驚かされます。

古代エジプトで最も聖なる場所 カルナック神殿

カルナック神殿は世界最大の神殿建造物といわれ、ルクソールを訪れたら必ずと言っていいほど、誰もが訪れる定番の観光スポット。紀元前にテーベの地方神、空気の神アメン神の神殿として造られました。
そのため、元々は小さな地方神殿でしたが、テーベ侯がエジプトを支配するようになると歴代の王たちが神殿や像を寄進。1500年もの時間をかけて複雑な構成の壮大な神殿となりました。
総面積は2キロ平方メートル、アラビア語で「城塞」の意が示す通り周壁で囲まれ、3つの主神殿をはじめ、太陽の象徴として立てられたオベリスク、巨大な柱が林立する大列柱室など、なにもかもが想像を上回る大きさ。
エジプトにおいて最大で、レリーフや建造技術にもファラオたちの情熱が宿る、印象的な遺跡群です。

カルナック神殿と並んでルクソールの2大神殿 ルクソール神殿

カルナック神殿から南に2.5のKm離れたところに位置するルクソール神殿は、アメン神の妻ムート神を祀った神殿。
元々はアメン神、ムト神、コンス神などを祀る小さな祠堂でしたが、アメンホテプ3世、ラムセス2世によって改・増築され、後方にはアレクサンドロス3世によって構築された祠堂も残されています。
ローマ時代には、軍の要塞となり、ローマ政府の基地にもなったそう。
第一塔門前には高さ25mのオベリスクが立ち、1対のラムセス2世の坐像が観光客を迎えます。
オベリスクは本来両脇に2本ありましたが、向かって右側の1本は1833年のムハンマド・アリーの時代にナポレオンが時計台と交換にフランスに持ち帰ったため、台座だけが残され、オベリスク自体は現在、パリのコンコルド広場で”クレオパトラの針”として親しまれています。
ルクソール神殿の内部へと進んだ場所は「ラムセス2世の中庭」。神々のレリーフが刻まれた石柱が74本も林立し、その間にはラムセス2世の像、一角には国王夫婦の像などもあります。
その奥には17mの大列柱廊、アメンへテプ3世の中庭へと続き、その奥にアレキサンダー大王の間があります。
ここはオペドの祭礼の際、アメン神を乗せた聖船を安置する祠堂がある場所。アメン神に捧げ物をするムト女神のレリーフが見事に残されています。

2大神殿を繋ぐ大通り スフィンクス参道

カルナック神殿とルクソール神殿をつなぐスフィンクス参道は、その昔、水路であった場所に造られたと考えられています。
ナイル川のかつての川幅は現在の7倍あったともいわれ、年に一度水量が増える時期に行われるオペドの祭礼の際は、船を浮かべていました。
また、ルクソール遺跡に使用されている石材は、水路で輸送されたことも分かっています。
その遺構は幅76m、長さ2700mにもおよび、後には1350体ものスフィンクスが建てられたとか。
参道に鎮座するスフィンクスは獅子の胴体とファラオの顔を持つものと、アメン神の化身である羊の頭を持つものがあります。
羊の顎の下には小さなファラオがすっぽり。ファラオはアメン神によって神聖な存在とされ、地上の神となったことを民衆の前で宣言したと言われています。
スフィンクスがズラリと並ぶ光景は、まるで屋外美術館のよう。夕刻のライトアップも美しく神秘的です。

工夫を凝らした近代的な博物館 ルクソール博物館

ルクソール神殿とカルナック神殿の中間に位置するルクソール博物館は、ルクソール周辺で出土した貴重な遺物を公開するため、1975年にオープンしました。
ここにはテーべの全盛期とされる新王朝時代を中心に、先史時代から中王国時代、イスラム時代の遺物などが新しいスタイルで展示されています。
ミイラや石碑など歴史的な側面はもちろん、照明で神秘的に浮かび上がるトトメス3世の胸像や283個の破片からなる18mの壁画、写実的な王像などは美術的な側面も充実。
1994年に増築された特別展示室には、1984年にルクソール神殿のアメンホテプ3世の中庭から発見された24体の彫像が展示されており、かつて栄華を極めた世界三大文明の面影を感じさせられます。

うめき声を上げて一躍有名に メムノンの巨像

ナイル川の西岸に、新王国時代のアメンホテプ3世の像が2体あります。
かつては彼の葬祭殿が背後に聳えていましたが、第19王朝ファラオ・メルエンプタハが自身の葬祭殿の石材調達のために破壊してしまい、現在は残されていません。
像の大きさは約18m。巨像の足の両側には、王の母であるムテムウイア女王と妻ティイの小さな像が立っています。
向かって右側の像は紀元前27年の地震によりヒビが入り、夜明けになると、温度差や朝露の蒸発により、うめき声や口笛のような音を発していたそう。
この音は当時、曙の女神エオスの息子メムノンが挨拶をしていると考えられ、メムノンの名がつけられました。
台座にはその声を聴くために訪れた人たちの署名や詩が残され、「上下エジプトの統一」を表したレリーフも見ることができます。
その後、ローマ―時代にセプティミウス・セウェルス帝によって下に落ちていた像の上半身が取り付けられると音はしなくなりましたが、その朽ちかけた姿はどこか悲しげで、秘められた声が聞こえてきそうです。

神殿や王墓に携わった職人たちの秘密住居 ディール・エル=メディナ

ディール・エル=メディナは、王墓や神殿の造営に携わった職人たちが住んでいた場所。
小さな自然の円形劇場に配置され、北は王家の谷、東と南東は葬祭寺院、西は女王の谷​​まで歩いて行ける距離にあります。
ここには住居や神殿などがあり、丘の斜面に、職人たちが自分自身の墓を作っていました。
墓の内部には数々の壁画が描かれており、ミイラを作るアヌビス神やオシリス神、来世での暮らしなどの絵が保存状態良く残されています。
墓は秘密が外部に漏れないよう、周囲を高い城壁に囲まれおり、「真実の場所」と呼ばれたほど。
ここから得られた考古学的データーや集収品は、当時を知る貴重な手がかりとなっています。

場違いな工芸品”オーバーツ”に興味津々 ハトホル神殿

プトレマイオス朝末期からローマ時代に建てられたとされるハトホル神殿は、その名前の通り、ハトホル女神に捧げられた神殿。
当時は愛や美、母性を司る神として人々から崇められ、かの有名なクレオパトラも深く信仰したと言われています。
神殿は3階建てで保存状態も申し分なし!壁や天井、柱など、至る所に細かいレリーフがびっしりと施されています。
その内容はハトホル女神の顔がついたハトホル柱やクレオパトラとシーザーとの間の息子カエサリオンのレリーフ、電球のレリーフ、円形天体図など、貴重で興味深いものばかり。
現代文明や技術にも繋がるオーバーツや芸術品の数々に惹きこまれることでしょう。
裏手には小さなイシス神殿もあり、コプト教会なども隣接していますので、合わせて観光することをお勧めします。

アスワンにポツンと残るギリシア・ローマ様式神殿 クヌム神殿

ナイル川中流西岸に浮かぶエレファンティネ島の町エスナに、古代エジプトの創造神クヌムを祀る、クヌム神殿があります。
クヌムは牡羊の頭をもち、ナイル川を司る神。人間を創設した神とも言われています。
その起源はエジプト神話の神、ラーよりも古いもの。ラーが冥界を渡る時に牡羊の姿になるのはクヌムの名残りとされています。
神殿はプトレマイオス朝時代から古代ローマ時代にかけて建造された比較的新しいもので、19世紀に入って9mの地下に発掘されました。
列柱室にはクヌム神大祭の碑文が記された巨大な柱が24本。天井には天体図、壁にはアレクサンドロス2世が神に御物を差し出す姿を描いたレリーフが残され、ところどころに浮かぶ色彩が人々を魅了しています。

値段交渉でお得にお土産探し! ルクソールスーク

ルクソールスークはルクソール神殿付近にある市場で、1㎞以上に渡ってローカルなお店がズラリ!
野菜や魚、生きた鶏などはもちろん、粒胡椒やパプリカ、チリなどのスパイスや民族衣装、金銀細工など、様々な物が並べられています。
海外のマーケットは夜が賑わうイメージですが、お土産屋さんなども多く、カフェやグルメも楽しめるので、明るい日中に訪れるのもおすすめ。
品物の価格は全て交渉で、殆どが言い値次第!カタコトの日本語も飛び交い、しつこくはないので、楽しくお買い物ができるはずです。

エジプト料理の定番 アエーシ

エジプト料理には必ずといっていいほど付いてくるピタパンのような挟みパン、アエーシ。
エジプトでのパン作りは起源が古く、古代エジプトの豪族たちの墓にも、パン作りの様子が描かれていたとか・・・。
「命を支えるパン」という意味があり、大きな炭火焼きの窯で焼かれます。
中が空洞になっているので羊肉のシシカバブやターメイヤと呼ばれるコロッケ、野菜などを挟んでパクリ!
イーストを使用していないので小麦本来の味が魅力で、具材とのバランスや食感が一度に楽しめます。

エジプトのファーストフード!? コシャリ

ごはんと細いスパゲティ、短いマカロニを混ぜ合わせた上に、レンズ豆やひよこ豆、トマトソースをかけた料理。
一見ミートソースの様にも見えますが、肉は使われておらず、お好みでシャッタという辛いソースや酸味のあるにんにくソースを混ぜていただきます。
タッレイヤという揚げ玉ねぎもポリポリとした食感を加え風味もアップ!
トッピングは別料金のこともありますが、微々たる料金で絶対におすすめなので、ぜひ全部のせでオーダーしてみてください。

エジプト・アラブ共和国・ルクソールの観光スポットを楽しもう

4500年以上の歴史を持つ、神秘の国エジプト。
その歴史を巡るハイライトとなるのが、今回ご紹介したルクソールです。
古代エジプトでは太陽が昇る東岸が生者の町、太陽が沈む西岸は死者の町と考えられていたため、ナイル川を挟んで東岸には神殿、西岸には葬祭殿や墓が見事に分けられて点在。
数多くの遺跡がその歴史を物語り、世界中の観光客、さらには学者たちをも魅了してやみません。
近年国際線も就航し、アクセスしやすくなった古代の都ルクソールへ、歴史の旅に出てみませんか?

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