エクアドル共和国・キトに行ったら何をする?おすすめ観光名所・グルメ

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赤道直下の国エクアドルといえば、ガラパゴス諸島の珍しい生態系は有名ですが、首都キトも見逃せません。
日本からは地球の裏側、アンデス山脈の北部標高2800mにある都市ですが、その美しさは指折り。
1978年に発足された世界遺産の中でも最初に登録されたのはわずか12件。そのうちの一つにキトが選ばれました。
16世紀には南米大陸におけるキリスト教布教の拠点だったことから、旧市街には聖堂、修道院などが数多く残り、ノスタルジック。欧州らしさと南米らしさが相まって、とても魅力的です。
また、周辺にも地球の裏側ならではの見所がたくさん!おすすめのスポット、グルメをご紹介します。

目次

南米芸術の源となった美の集合体 サンフランシスコ教会・修道院

スペインによる征服の翌年、1535年に建設が始まったサンフランシスコ聖堂・修道院は、南アメリカ最古の歴史を誇る聖堂・修道院です。
約1万坪の土地にフランドル出身の修道士ホドコ・リッケが設計、完成までには70年以上もの歳月を費やしました。
その風格ある佇まいは「アンデスのエル・エスコリアル宮殿」とも称され、南米においても最も威厳のある教会建築として知られています。
内部にはゴールドとブルーを基調にバロックの要素が強く、主祭壇、側面礼拝堂、説教壇など、豪華そのもの。
当時付属する教育機関では先住民のために神学と美術を教えており、そこから派生した貴重な美術品も多数展示されています。
“キト派”と呼ばれる南米芸術の潮流はサン・フランシスコ教会・修道院から生まれたのです。

黄金の聖堂 ラ・コンパニーア教会

キトにある歴史的建造物のなかでもひときわ異彩を放つのが、「最高のバロック建築」と称されるラ・コンパニーア聖堂。
1605年にドイツ人のレオンハルト・ドイブラーによって建設が始められ、完成したのは1766年、イタリア人のベネッチオ・ガンドロフィットの手によるものでした。
石造りの外観にはらせん状の円柱や聖人、天使などの彫刻が掘られ、重厚感たっぷり。
それとは裏腹に堂内には全体でなんと7トンもの金箔が使われ、精緻な装飾が黄金に光輝いています。
祭壇中央には、「奇跡の絵」とも呼ばれる聖人マリアナの絵が飾られており、植民地時代のエクアドルを象徴する代表的なスポットとなっています。

キトの歴史地区の中心”セントロ ヒストリコ” 独立広場

スペインの植民地として支配されていたエクアドルは、1809年8月10日に独立宣言をしました。
現在のエクアドルとして完全独立をしたのは1830年5月13日のことですが、独立を宣言した日は重要視され、携わった英雄もまた、称えられています。
プラザ グランデとしても知られる独立広場には背の高い記念碑が立てられ、周りには重要な施設がズラリ。
広場と境界をなす通りには、エクアドル料理を楽しめるレストランやお洒落なカフェ、地元の工芸品を扱うショップもありますので、観光の所要として、ぜひ立ち寄ってみてください。

エクアドルの人々にとっての重要遺産 キト大聖堂”ラ・カテドラル”

独立広場の南に隣接して建つカトリックの大聖堂ラ・カテドラルは、南米最古の教会のひとつ。
16世紀に建てられた大聖堂は、ゴシックとムーア、バロック、新古典主義など多彩な様式が融合した建築。
美しいドームと広場につきだす扇形状の階段”カロンデレット・アーチ”の装飾も、よく知られています。
聖堂内には精巧な木彫りやムーア様式の装飾、黄金のフリーズなどが施され、金箔の祭壇彫刻も見事。
天窓から差し込む太陽光が美しく、大祭壇の背後にはカスピカラの代表作”ラ・サバナ・ サンタ”も飾られています。
また、ここにはエクアドルの初代大統領フアン・ホセ・フローレスとキトをスペイン軍から解放したアントニオ・ホセ・デ・スクレの棺が納められており、建物だけでなく重要なアイデンティティを持つ場所として、大切に保存されています。

見所に溢れる政府官邸 大統領府

独立広場の西側に建つ大統領府は、17世紀に建造された白亜の建物。
子午線測量の修正の為フランスから派遣されたミッションメンバーの一人、カロンデレットが建てたことから”カロンデレット・パレス”とも呼ばれています。
宮殿の入口に立つと、新古典主義様式のファサードや列柱が印象的で、中庭の中央に配された噴水や2階建ての拱廊も見事。
執務室や広間、客間を覗いてみると当時の家具や豪華な装飾がそのまま残り、骨董品や記念品の数々も置かれています。
オスワルド グアヤサミンの壁画など、エクアドルの著名なアーティストによる作品も見所のひとつ。
官邸のバルコニーにからは独立広場を一望し、行き交う人たちの景色もまた一興。
夜のライトアップも美しく、まさに宮殿のような雰囲気に包まれます。

美しい聖母像と共に街を一望 パネシージョの丘

市街地から南西に車で約40分、キトの郊外にパネシージョの丘があります。
丘の高さは約180m、市街地を一望できる景観が魅力です。
頂上にある高さ43mの聖母像は、サンフランシスコ教会付属博物館所蔵の「キトの聖母」をモデルとしたもので、1975年に完成。内部は教会になっており、前方下から見上げた時の姿が最も美しいと言われています。
ぐるりと一周して、眺望はもちろん、聖母像の不思議な立ち姿も観察してみましょう。
夜にはライトアップされ、街の夜景も幻想的ですが、治安面に不安がありますので、日中に訪れることをおすすめします。
また、街の至る所からこの像をみることができますので、遠くから聳え立つ姿を楽しんでみるのも趣がありますよ。

どこをとってもキトで必見! バシリカ教会

旧市街の高台に、まるで街を見下ろしているかのように堂々と建っているのが、ネオ・ゴシック建築のバシリカ教会です。
城のような外観と、外壁に施された細かい装飾は目を見張るものがあり、国の文化遺産、キトのシンボルとしても重要な存在。
1892年にスペイン人によって建設が始まりましたが、「この教会が完成すればキトは滅亡する」という先住民の言い伝えにより、今も完成していないそう。
外壁に施された守り神、ガーゴイルの彫刻はすべてエクアドルに住む動物で、ゾウガメやイグアナ、イルカやピューマなど。
教会内に入ると、二階部分まで突き抜けた天井は解放感抜群!奥行はなんと140mもあります。
上部には色彩豊かなステンドグラスに光が差し込み、神聖な空気。階段を登れば、二階部分に設置されたバルコニーからまた違った光景を見ることができます。
さらに、教会の屋根裏に架かった橋を渡り、急な階段を登ると、尖塔にある展望台へ。塔の上から見る世界遺産の景色は絶景!
パネシージョの丘をバックに2本の時計塔が聳え、映画の世界のような感動さえ覚えます。
ぜひお天気の日を狙って訪れてみてください!

キト最古の目抜き通り ラ・ロンダ通り

旧市街の中でも、最も古いと言われる通りラ・ロンダは、かつては水を得るために住民が使用したインカトレイルでした。
キトの街は1543年にスペインの植民地支配が開始されるとほとんどの建物は建て替えられ、独立広場を中心として格子状に街路が形成されました。
ここ、ラ・ロンダも石畳の道に変化。現在は250mほどの通りに興味深いお店が立ち並んでいます。
当時の面影を残す通りはどこを見てもフォトジェニック。
エクアドルの芳醇な香りのカカオを使ったチョコレートのお店では製造工程も見られたり、音色につられて進むと楽器の修理店があったり、楽しみ方もキトならでは。
バーが開く夜には、ラテンの雰囲気も楽しめます。

緯度0度!?北半球と南半球を分ける場所 赤道記念碑

キトは世界中にみても珍しい、ほぼ赤道上にある首都。
北へ約23kmほど移動したところには、”世界の真ん中”を意味する赤道記念碑があります。
ここは、1936年エクアドルの地質学者がGPSで測定した結果に基づいて赤道の位置を確定。1979~1982年にかけて高さ30mのモニュメントを建設しました。
公園には当時測量に加わった世界の科学者の銅像が置かれ、赤道を示すラインもあります。
記念碑の展望台に上ると、街の向こうに荒涼とした山々が広がり、南米感満載。
各階には博物館もあり、赤道にまつわる重力、磁力の学びを楽しめます。
回転を続ける地球には常に遠心力が働いており、赤道付近で最大。身近なものでその力を実感することができるので、ぜひ試してみましょう。

テーマパークのような屋外博物館 赤道博物館

赤道記念碑から大通りを少し北に行ったところに、ツアー形式の実験が楽しめる施設、赤道博物館があります。
ここには赤道直下でしか体験できない興味深い現象がたくさん。
卵を釘の上に立てるのはもちろん、シンクに水を流して渦の向きの違いを見たり、目を瞑って歩くとぐらぐら揺れ、真っ直ぐに歩けなかったり。
実は赤道記念碑がある場所は新GPSで計測すると数メートルのズレがあることが判明。赤道博物館の敷地に再測したもう一つの記念碑が立てられました。
赤道の上に訪れた記念のスタンプをパスポートに押すことが出来るのも嬉しいポイント。
しかし、この赤道ラインも実際には0° 0′ 0″から少しずれているそう。訪れた際にはGPSアプリで実際に計測して真相を究明してみましょう。

手軽な民芸品市場 メルカド・デ・インディヘナ

キトの市場といえば、土曜市で有名なオタバロですが、手軽に民芸品を買いたいときは、先住民の市場メルカド・デ・インディヘナがおすすめ。
新市街のメラ通りとホルヘ・ワシントン通りの一角にあります。
ここには100近くの露店が連なり、アルパカ製品やポンチョ、ショールなどの布製品、雑貨、アクセサリー、楽器など、様々な民芸品が売られています。
お値段もそれなりに手頃で、交渉次第で言い値の5~7割くらいにはなりますのでやり取りを楽しみながら、掘り出し物を見つけてみましょう。

エクアドルのお祝い料理 クイの丸焼き

クイは日本名で天竺鼠。いわゆるネズミです。
ペルーで有名な名物料理ですが、エクアドルでもあちらこちらでみかけます。
下焼きをした後にゆっくり時間をかけてくるくると丸焼きに・・・。タレを付けてこんがりと焼かれて提供されます。
皮は厚く、繊維はホロホロ。牛や豚、羊などとは違い、ささみのようなちょっと繊細な味がします。
新鮮なら臭みはないので、物は試し!勇気のある方はぜひチャレンジしてみてください。

果汁たっぷりエクアドルの銅鍋アイス エラード・デ・パイラ

エラード・デ・パイラは、プレコロンビア時代から伝わるエクアドル特有のアイス。
氷と塩でキンキンに冷えた銅鍋パイラを使って丹念に捏ねて作ります。
アイスの味はクリーム系、フルーツ系などがあり、砂糖と卵白に果物の果肉やミルク、チョコレートなどを混ぜ、鍋を高速回転!大きなスプーンで混ぜていくと、次第に液体が固まり、アイスになります。
日本でいうアイスクリームともジェラードともシャーベットとも違うローカルな味。
特にグアナバナ、タクソ、マラクジャなど、エクアドル特有の新鮮なフルーツのパイラはおすすめです。

多種多様な総菜パン エンパナーダ

南米の様々な国で食べられている具入りのパン、エンパナーダ。エクアドルでも種類は豊富です。
皮の材料をとってもトウモロコシの粉や小麦粉、米粉、穀粉など様々で、中身は豆やジャガイモ、たまご、レーズンなどなど。
チーズを包んで揚げたものに砂糖をまぶして食べたり、ディップ・ソースが添えられたり、フルーツを使ったスイーツのようなものもあります。
ご紹介したラ・ロンダでも人気のおつまみとなっていますので、カネラッソを片手にペアリングしてみましょう。

エクアドル共和国・キトの観光スポットを楽しもう

かつてはインカ帝国第2の都市として栄え、16世紀にはスペインの植民地となったキト。
“アメリカ大陸の修道院”と呼ばれた旧市街には数多くの建物が残り、その保存状態は世界でも1、2を争うほど。
当時の面影が色濃く残り、初代世界遺産に選ばれたことも頷けます。
実際に訪れてみると青く澄んだ空に白い建物が美しく、ヨーロッパの趣に南米らしさもたっぷり。
キトを訪れれば、誰もがその個性に魅了されるはずです。

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