温かみのある素朴さが魅力のロシア料理。
体を温める煮込み料理やスープの種類も豊富で、異国の料理なのに不思議とホッとする懐かしさを感じられます。
広大な土地と多様な文化を包含してきたロシアは、実はその料理も豊穣で、ヨーロッパや中央アジアの料理をベースに発展してきました。
味付けも塩と胡椒が主流で、あっさり味を好む日本人の口にもよく合います。
ロシアに行ったら絶対に食べたい、美味しいロシア料理をご紹介します。
目次
ザクスカ

ロシア料理で提供されるビュッフェスタイルの前菜です。
ロシア語で「軽くつまむ」という意味の「ザクシーチ」に由来していますが、種類・量ともに豊富で、キャビアやイクラ、酢漬けのにしんなどが欠かせない豪華な盛り合わせ料理です。
他にもパシテット(肉のパイ)、クリビヤック(魚のパイ)、サラダ、きのこの塩漬け、アグレッツ(キュウリの塩漬け)などがあり、ザクスカの種類の多くを占めるのは冷菜ですが、ピロシキやブリヌイなどの温菜も含まれています。
レストランのメニューのスターターであり、来客のおもてなしの始まりの料理。ウォッカ(蒸留酒)やフリェプ(パン)と相性の良い取り合わせで、いろいろな料理を少しずつ楽ししんでください。
ボルシチ

日本でも有名な、世界三大スープのうちのひとつ、ボルシチ。
テーブルビート(ビーツ)がベースとなるロシアの伝統的な料理で、鮮やかな深紅色をした煮込みスープです。
ビーツにはリン、ナトリウム、マグネシウム、カリウム、鉄、カルシウム、葉酸などの様々な栄養が含まれており、食べるとからだが温まる、日本のお味噌汁のような、おふくろの味的料理です。
タマネギ、ニンジン、キャベツ、牛肉などの材料を炒めてから、スープでじっくり煮込んであり、シンプルな味付けながら野菜や肉が濃縮され、旨味がぎっしりと詰まっています。
ビタミン豊富なサワークリームを加えると、魔法のようにコクが生まれ、味の変化が楽しめます。
ビーフストロガノフ

細切りにした牛肉とマッシュルーム、玉ねぎをバターでよく炒め、サワークリーム入りのソースで煮込んだロシアの伝統料理です。
日本ではデミグラスソースやトマトで煮込むことがあり赤や茶色のイメージがありますが、サワークリームを用いて作るので、見た目も少し白っぽいのが特徴です。サワークリームの酸味で肉のしつこさが消え、食べやすくなり、独特な風味やコクも生まれます。
白米やサフランライスだけでなくマッシュポテトやパスタと一緒に食べるのもロシアならでは。添えられたピクルスとの相性もお試しください。
ピロシキ

肉や野菜、ゆで卵などを包んだ総菜パン。
ロシアでは間食として食べる他、コース料理の前菜であったり、コンソメやボルシチなど汁物に添えたり、ときにはスイーツとして食べられるほどバリエーションが豊かです。
中の具材に決まりはなく、牛・豚・鶏・羊などのひき肉やレバーなどを炒めたものや、鮭やチョウザメなどを焼いてほぐしたもの、きのこ、ジャムや煮たフルーツが入ったものもあります。日本人にとってのおにぎりともいえるほどポピュラーな料理で、かつレストランのコース料理の前菜にもなるほどアレンジが利きやすい料理です。
日本では揚げたスタイルのパンもありますが、ロシアでは本来オーブンで焼くスタイルが主流です。
シャリーク

ロシアで人気のバーベキュー、串焼き、ロースト料理です。
新鮮で脂身のついた肉を、刻んだタマネギ・ニンニクやお好みでパセリやローリエ、香辛料とともに味付けしたワインに漬け込み、串に刺して炭火などの直火やオーブン、フライパンなどで焼きます。
味が浸み込んで香ばしく、家庭やお店によって味付けが異なる、秘伝の味が楽しめます。
ふっくらジューシーに焼きあがった熱々をほおばると肉汁が滴り落ちて、そのおいしいことと言ったら間違いなしのワイルドな料理です。
ウォッカ

ジン、ラム、テキーラとともに4大スピリッツと呼ばれるウォッカ。ライ麦や大麦、小麦などの穀類、あるいはジャガイモから作る蒸留酒です。
ウォッカを始め、西欧を起源とするお酒は「命の水」という別名を持っていて、ロシアでは風邪をひいたとき、医者はとりあえずウォッカを処方すると言われるほどです。
本場ロシアではストレートで飲むことが原則とされ、冷凍庫で冷やすか、厳寒期には戸外で氷点下まで冷やしとろりとさせたものをストレートで飲むこともあります。アルコール度数は40度が標準となっていますが、自信があるならば飲み比べてみるのも一興かもしれません。
ビール

近年、ロシアではウォッカの消費量が下がってビール人気が高まっているのだそう。
缶ビールでも生ビールでも100~200円と格安なので、ビール好きには天国のような国です。
ロシアにしかない味を楽しむなら、自家製のクラフトビールを造っているお店でぜひ味わってみてください。
日本よりもずっと気軽に飲めるロシアのビールはボトルデザインも面白いものが多く、現地で飲み比べてお気に入りが見つかったら日本へのお土産にしても(免税範囲や荷物の重量に注意)喜ばれることでしょう。
日本でロシア料理を味わってみませんか?
「その日の料理はその日の分だけ、朝から全て手作り。
ロシア料理の本当の美味しさをお楽しみください。
1973年にロシア人デザイナーが作ったお店です。
オープン当時のロシア民家風の温かい雰囲気のお店を今も大切に使い続けています。
本場でロシア料理を味わってみませんか?
いかがでしたか。おしゃれなのにどこかホッとする味わいを持つロシア料理。他にも魅力的なロシア料理はたくさんあります。
複雑なようで実は簡単に作ることもできるので、ちょっと贅沢をして美味しい料理を味わったら、好みの味に家庭でアレンジしてみるのもおすすめです。
心もからだも温まる優しい味が魅力のロシアで人気の料理をぜひ色々試してみてください。